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「大家さんが雨漏りを直してくれないから家賃を払わなくていいよね?」
「修繕してくれないから退去したのに、なんで賃料を払わなきゃいけないの?」
「連帯保証人にまで請求が来るの?」
不動産管理の現場でも実際によくある相談です。
今回はおなじみ不動さんとふーちゃん先輩の会話を交えながら、
実際にあった判例をもとに
賃貸人の修繕義務違反があっても賃料支払義務が残る理由を
徹底解説します。
出典:(一財)不動産適正取引推進機構「実際にあった判例から」(at home TIME 2026年8月号)
この記事でわかること
- 修繕義務違反があっても賃料全額拒否できないケースとできるケース
- 連帯保証人が未払賃料の支払を求められた判例の経緯
- 退去時清掃費用特約の有効性
- 賃管士試験の「修繕義務」と実務の接点
まず事案のあらすじ
| 登場人物 | 役割 |
|---|---|
| X(法人) | 賃貸人(大家さん) |
| A(個人) | 賃借人(入居者) |
| Y(個人) | Aの連帯保証人 |
| B(宅建業者) | 媒介した不動産会社 |
【事案の流れ】
平成29年12月
→ X・A間で都内マンション最上階の賃貸借契約を締結
月額賃料14万円(管理費込み)
敷金・礼金各13万5,000円
Yが連帯保証人として保証契約を締結
平成30年〜平成31年
→ 計4回の雨漏りが発生
→ AはXに修繕を依頼
(浴室排水口の異臭対応も要求)
平成31年4月
→ Aが「Xは修繕義務を果たさない」として退去
→ 今後の賃料支払いを拒絶する旨をXに通知
→ 5日後に鍵を返却
→ 宅建業者Bにも「契約解除する」旨の書面を送付
令和元年5月
→ XがYに対して127万円余の支払を求めて提訴
・未払賃料
・退去時清掃費用(特約あり・4万円税別)
・B宛書面によるXの信用毀損への損害賠償
不動さん:

ふーちゃん先輩:

裁判所の判断①:修繕義務違反があっても賃料は払うべきか
| 争点 | Aの主張 | 裁判所の判断 |
|---|---|---|
| 賃料不払の正当性 | 「Xが修繕義務を果たさないから賃料を払わなくていい」 | ×:賃料全額拒否できるのは使用収益が全面的に不能な場合のみ |
| 判断の根拠 | - | 雨漏りはあったが建物の使用収益が全面的に不能とは言えない |
| 参照判例 | - | 最高裁昭和34年12月4日判決 |
| 結論 | - | Aの賃料支払義務は残る→Yへの請求を一部認容 |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

ペンギン社長:

裁判所の判断②:退去時清掃費用特約は有効か
| 争点 | 内容 | 裁判所の判断 |
|---|---|---|
| 清掃費用特約の有効性 | 契約時に「退去時清掃費4万円(税別)は賃借人負担」という特約あり | ✅ 有効:Aに過度な負担でもなく特約は有効 |
| 原状回復との関係 | - | 合理的な範囲の特約は有効という原則に沿った判断 |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

裁判所の判断③:B宛書面による信用毀損は認められたか
| 争点 | Xの主張 | 裁判所の判断 |
|---|---|---|
| 信用毀損による損害賠償 | 「AがB(仲介業者)に送った書面でXの信用が毀損された」 | ×:毀損の程度が明らかでないとして採用しなかった |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

判決の結論
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 未払賃料 | ✅ Yの支払義務を認めた(敷金を控除した額) |
| 退去時清掃費用 | ✅ Aの支払義務を認めた |
| 信用毀損の損害賠償 | ❌ 採用しなかった |
ペンギン社長:

賃管士試験との接点:この判例で確認できる試験知識
| 試験で出るポイント | 今回の判例との関係 |
|---|---|
| 賃貸人の修繕義務 | 修繕義務違反があっても使用収益が可能なら賃料支払義務は残る |
| 賃料減額請求と全額拒否の違い | 修繕義務違反は賃料減額請求の根拠にはなり得るが全額拒否はできない |
| 原状回復の費用負担・特約の有効性 | 清掃費用4万円の特約は合理的な範囲で有効と判断された |
| 連帯保証人の責任範囲 | 賃借人の債務不履行に対して連帯保証人も支払義務を負う |
| 解約の通知方法 | 「2ヶ月前予告で書面解約可・解約時はBにも通知」という契約条項が争点に |
ふーちゃん先輩:

参考判例:エレベーター停止のケース(令和3年)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事案 | 老朽化エレベーターが度々停止する建物2階の店舗・賃借人が賃料(月額35万円)を遅滞・停止 |
| 争点 | エレベーター停止を理由に賃料全額を拒否できるか |
| 裁判所の判断 | 店舗は営業可能→賃料減額請求はできても全額拒絶まではできない |
| 結論 | 2ヶ月分超の不払いから信頼関係の破壊を認め→賃貸人の解除・明渡し請求を認容 |
| 教訓 | 設備の不具合があっても使用可能なら賃料全額拒否はできない・不払いが続くと解除されるリスクがある |
不動さん:

ペンギン社長:

まとめ:修繕義務違反と賃料支払義務の4大ポイント
- 修繕義務違反があっても賃料全額拒否できるのは使用収益が全面的に不能な場合のみ(最高裁昭和34年判決)
- 雨漏り・エレベーター停止などの不具合は賃料減額請求や損害賠償の根拠になり得るが全額拒否とは別の話
- 退去時清掃費用の特約は合理的な範囲で有効・連帯保証人もこの義務を負う
- 賃料不払いが続くと信頼関係の破壊として賃貸借契約を解除されるリスクがある
ペンギン社長:

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