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敷金について一問一答です
賃貸不動産経営管理士試験で頻出の「敷金」に関する知識を一問一答15問で確認しましょう。敷金の性質・充当・返還・譲渡・差押・礼金・更新料など試験頻出テーマを網羅しています。令和8年度試験対策に最適です。
次からの問いに○か×で答えてください
問題
1.賃貸借契約にて交付した敷金を、賃貸人と賃借人の合意を持って敷金契約のみ解約し、賃借人に返還することはできない。
2.賃貸借契約期間中に賃料改定が行われた際に、特約に賃料改定に伴う敷金の取り決めがないときは、敷金の積み増しや一部返還について当然に認められない。
3.敷金は賃貸借契約締結時または締結前に交付されることが一般的だが、賃貸人と賃借人の間で賃貸借契約締結後に支払う旨の合意をすることも可能である。
4.賃貸借契約締結中に生じた債務は敷金によって担保されるが、賃貸借契約終了後で建物明け渡しまでに生じた債務については担保されない。
5.判例によると、敷金の返還と建物の明渡しは同時履行の関係にあるとされている。
6.賃貸借契約期間中に賃借人の未払い家賃について、賃貸人は敷金から充当することはできない。
7.賃借人は未払い賃料を、預けた敷金で充当することができる。
8.建物明け渡し時に、賃借人が賃料未払いの債務を残していた場合、賃貸人はその債務を敷金から充当するには、賃借人に対して敷金から充当する旨の意思表示をする必要がある。
9.賃借人は敷金返還請求権を第三者へ譲渡することができる。
10.賃貸人は敷金返還請求権の譲渡禁止の旨を賃貸借契約の特約に付加することによって、賃借人が第三者へ譲渡することを妨げることができる。
11.賃貸借契約に敷金返還請求権の譲渡禁止の特約を付加されていることを過失なく知らなかった第三者が、賃借人から譲渡された場合、賃貸人は譲渡された第三者に対して譲渡禁止特約を過失なく知らなかったことを理由に、譲り受けた第三者に対して敷金返還を拒否することができる。
12.敷金返還請求権に質権を設定することは可能である。
13.賃借人の債権者によって差し押さえられた敷金返還請求権を、差押命令の送達日から1週間経過したときに債権者は、賃貸人に対して敷金を支払うよう請求したが、賃貸人は賃借人の建物の明渡しがまだ行われていないことを理由に支払を拒絶することができる。
14.賃貸借契約締結後、賃貸人が対象物件を引き渡さないなどの債務不履行によって賃貸借契約が解除された場合、賃貸人は賃貸借契約時に受領した礼金を、賃借人に返還しなければならない。
15.賃貸借契約の更新料は、特約に更新料を支払う旨の特約が無ければ、賃借人は更新時に支払請求があったとしても拒絶することができる。
答え
1.×
📝 解説:賃貸人と賃借人の合意があれば、賃貸借契約を継続したまま敷金契約のみを解約し賃借人に返還することができます(民法622条の2)。問題文の「できない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・賃貸借契約と敷金契約は別個の契約として扱われる✅
・当事者の合意があれば敷金契約のみを解約することができる✅
・賃貸借契約は継続しながら敷金だけを返還することも可能✅
敷金は賃貸借契約に付随する従たる契約ですが、当事者の合意によって独立して解約することができます。「賃貸借契約が続いているなら敷金は返せない」という誤解をしないよう注意しましょう。
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2.○
📝 解説:賃料改定が行われた際に敷金の積み増しや一部返還は、特約に取り決めがない限り当然には認められません。整理すると以下の通りです。
・賃料が値上がりした場合:賃貸人は当然に敷金の積み増しを求めることはできない✅
・賃料が値下がりした場合:賃借人は当然に敷金の一部返還を求めることはできない✅
・特約がある場合:特約の内容に従う✅
敷金は契約締結時の賃料を基準に設定されますが、賃料改定があっても自動的に敷金額が連動するわけではありません。「賃料が変わっても特約がなければ敷金はそのまま」という点を覚えましょう。
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3.○
📝 解説:敷金は賃貸借契約の締結時または締結前に交付することが一般的ですが、契約締結後に支払う旨の合意も有効です(民法622条の2)。整理すると以下の通りです。
・通常:契約締結時または前に敷金を交付する✅
・例外:契約締結後に支払う旨の合意も可能✅
敷金の交付タイミングは当事者の合意によって柔軟に設定できます。引越し費用の都合上「入居後1か月以内に支払う」という合意も法律上有効です。ただし実務上は入居前に受け取るのが一般的です。
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4.×
📝 解説:敷金は賃貸借契約終了後から建物明渡しまでに生じた債務についても担保します(民法622条の2第1項)。問題文の「担保されない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・賃貸借契約中に生じた債務→敷金で担保される✅
・契約終了後・明渡しまでの間に生じた債務→敷金で担保される✅
・明渡し完了後に生じた債務→担保されない✅
敷金は明渡しが完了するまでのすべての債務を担保します。契約終了後でも明渡しが終わるまでの使用対価・損害賠償なども敷金の担保範囲に含まれます。「明渡しまでの債務はすべて担保される」という点を覚えましょう。
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5.×
📝 解説:最高裁判例によれば敷金の返還と建物の明渡しは同時履行の関係になく、賃借人の明渡しが先履行とされています(最高裁昭和49年9月2日)。問題文の「同時履行の関係にある」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・先履行:賃借人が明渡しを先に行う✅
・後履行:賃貸人が明渡し完了後に敷金を精算して返還する✅
なぜ同時履行ではないかというと、敷金の返還額は明渡し完了後でなければ確定できないためです。明渡し時に残っている未払い賃料や損害賠償額を精算してから返還額が決まります。「明渡しが先・敷金返還が後」というセットで覚えましょう。
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6.×
📝 解説:賃貸借契約期間中であっても、賃貸人は未払い賃料等を敷金から充当することができます(民法622条の2第2項)。問題文の「できない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・賃貸借契約期間中:賃貸人は敷金から充当できる✅
・賃貸借契約終了後:同様に充当できる✅
・賃借人から充当の主張:できない(問7参照)✅
「契約期間中は敷金に手をつけられない」という誤解が生じやすいポイントです。賃貸人はいつでも敷金から未払い賃料等を充当できますが、充当した場合は賃借人に通知する必要があります。
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7.×
📝 解説:賃借人は預けた敷金を未払い賃料の充当に充てることを主張することができません(民法622条の2第2項)。問題文の「充当することができる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・賃貸人:敷金から充当することができる(問6参照)✅
・賃借人:敷金からの充当を主張することはできない✅
「敷金があるから賃料を払わなくていい」という主張は認められません。賃借人には賃料支払義務があり、敷金は賃貸人が管理するものです。「充当できるのは賃貸人だけ・賃借人は充当を主張できない」というセットで問6と一緒に覚えましょう。
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8.×
📝 解説:敷金によって担保されている債務は当然に敷金から充当されるため、賃貸人が賃借人に対して意思表示をする必要はありません(民法622条の2第2項)。問題文の「意思表示が必要」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・敷金からの充当:当然充当・意思表示不要✅
・充当後:賃貸人は残額を賃借人に返還する義務がある✅
敷金の充当は法律上当然に発生するものであり、特別な手続きや意思表示は必要ありません。明渡し後に自動的に計算・精算されます。「当然充当・意思表示不要」という点を確実に覚えましょう。
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9.○
📝 解説:賃借人は敷金返還請求権を第三者へ譲渡することができます(民法466条)。敷金返還請求権は金銭債権であるため原則として自由に譲渡できます。整理すると以下の通りです。
・敷金返還請求権:譲渡可能✅
・譲渡の対抗要件:賃貸人への通知または賃貸人の承諾が必要✅
ただし問10・11で確認するように、特約による制限や譲受人が悪意・重過失の場合は注意が必要です。問9〜11はセットで整理しましょう。
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10.×
📝 解説:敷金返還請求権の譲渡禁止特約を付したとしても、賃借人は第三者へ有効に譲渡することができます(民法466条2項)。問題文の「妨げることができる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・譲渡禁止特約あり→譲渡は有効✅(特約があっても譲渡を止めることはできない)
・ただし:譲受人が悪意または重大な過失がある場合は賃貸人は履行拒絶できる(問11参照)✅
2020年の民法改正により、譲渡禁止特約があっても債権の譲渡自体は有効とされました(改正前は特約で禁止できた)。「特約があっても譲渡は有効」という改正後のルールを覚えましょう。
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11.×
📝 解説:譲渡禁止特約を過失なく知らなかった(善意無過失の)第三者に対しては、賃貸人は敷金返還を拒否することができません(民法466条3項)。問題文の「拒否することができる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
| 譲受人の状態 | 賃貸人の対応 |
|---|---|
| 善意無過失(特約を過失なく知らなかった) | 履行拒絶できない→敷金を返還しなければならない✅ |
| 悪意(特約を知っていた) | 履行拒絶できる✅ |
| 重大な過失(知らなかったことに重大な過失あり) | 履行拒絶できる✅ |
「善意無過失の譲受人には拒絶できない」という点がポイントです。問10・11を合わせて「特約があっても譲渡は有効・善意無過失の譲受人への拒絶は不可」というセットで覚えましょう。
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12.○
📝 解説:敷金返還請求権に質権を設定することは可能です(民法362条)。敷金返還請求権は金銭債権であるため、債権質(債権に対する質権)の設定ができます。整理すると以下の通りです。
・敷金返還請求権への質権設定:可能✅
・質権の対抗要件:賃貸人への通知または承諾が必要✅
ただし敷金返還請求権は「明渡し後に確定する将来の債権」であるため、実際に権利を行使できるのは明渡し完了後になります。質権設定自体は有効ですが行使のタイミングに注意が必要です。
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13.○
📝 解説:敷金返還請求権が差し押さえられ、差押命令送達から1週間経過後に差押債権者が取立請求をしても、賃貸人は明渡しが完了していないことを理由に支払いを拒絶することができます(民法622条の2・民事執行法155条)。整理すると以下の通りです。
・差押後1週間経過→差押債権者は取立権を取得する✅
・しかし:敷金返還請求権は明渡し完了後に確定する債権✅
・賃貸人の対抗:明渡し未完了を理由に支払い拒絶できる✅
差押があっても敷金の性質(明渡し後に確定・残債務精算後に返還)は変わりません。「差押があっても明渡し前は支払い拒絶できる」という点を覚えましょう。
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14.×
📝 解説:判例では賃貸人の債務不履行によって賃貸借契約が解除された場合でも、礼金を返還する義務はないとされています(判例)。問題文の「返還しなければならない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・礼金の法的性質:賃貸借契約締結の対価として支払われるもの✅
・契約解除があっても:契約を締結した事実自体は覆らない→礼金返還義務なし✅
・損害賠償:礼金とは別に債務不履行による損害賠償請求は可能✅
礼金は「部屋を借りる機会を得たことへの対価」として支払われるものであり、その後に契約が解除されても既に発生した対価の返還義務は生じないというのが判例の立場です。「礼金返還なし・損害賠償は別途可能」というセットで覚えましょう。
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15.○
📝 解説:更新料は特約に支払う旨の定めがなければ賃借人は支払い請求を拒絶することができます(最高裁平成23年7月15日)。整理すると以下の通りです。
・更新料特約あり:有効(最高裁判例)→支払い義務あり✅
・更新料特約なし:支払い拒絶できる✅
最高裁は更新料特約は「一定の合理性がある」として有効と判断していますが、あくまで特約がある場合に限ります。特約がなければ法律上の支払い根拠がないため拒絶できます。「更新料は特約が必須・特約なければ拒絶可」という点を確実に覚えましょう。なお更新料の金額が「高すぎる」として消費者契約法違反になるかどうかは個別の事情によります。
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敷金は賃貸借契約において非常に重要なテーマです。充当・返還・明渡しとの関係・譲渡・差押・礼金・更新料など多くの論点が絡み合います。「誰が何を主張できるか」「明渡しとの関係はどうか」を常に意識して整理することが合格への近道です。


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