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賃貸借契約の解除について一問一答です
賃貸不動産経営管理士試験で頻出の「賃貸借契約の解除」に関する知識を一問一答10問で確認しましょう。信頼関係破壊の法理・代位弁済・解除の意思表示・共有物の解除・合意解約・建物滅失など試験頻出テーマを網羅しています。令和8年度試験対策に最適です。
次からの問いに○か×で答えてください
問題
1.判例によると、建物賃貸借契約において賃借人が賃料を滞納していた場合でも、信頼関係を破壊しない事情があると認められる時には、契約を解除することはできないとされている。
2.判例によると、賃借人が延滞した賃料を、家賃債務保証会社が賃貸人へ支払った場合、賃貸人にとって賃料不払いは解消されているので、賃料不払いによる建物賃貸借契約の解除は行えないとされている。
3.賃貸人は一定の催告を経て、賃借人に対して債務不履行を理由とする建物賃貸借契約を解除する場合は、賃貸人の一方的な解約解除の意思表示が、賃借人側へ到達したときから効力が生じる。
4.賃貸人からの賃借人に対して債務不履行を理由とする建物賃貸借契約解除の意思表示の到達は、賃借人の同居人が契約解除通知を受領しても認められる。
5.賃貸人からの賃借人に対して債務不履行を理由とする建物賃貸借契約解除の意思表示は、撤回することができる。
6.賃貸人からの賃借人に対して債務不履行を理由とする建物賃貸借契約解除は、催告と同時に、「期間内に支払がない場合には、本書を持って建物賃貸借契約を解除することとします。」と記載して解除の意思表示を行うことも可能である。
7.賃貸建物が共有物、賃貸人が共有者である場合、賃貸借契約の解除に関する事項は、共有者全員の意思の合致を持って解除権の行使ができる。
8.判例によると、賃貸人と賃借人の合意によって建物賃貸借契約を終了することができるとされているが、期限または条件を付した期限付き合意解約または条件付き合意契約をすることまでは認めていない。
9.判例によると、賃貸人と賃借人の合意によって建物賃貸借契約を終了することができるとされているが、当事者の意思が確実なものでなければ、解除の効力は否定される。
10.賃借人の帰責事由により建物を焼失させ、滅失させてしまった場合は建物賃貸借契約は終了するが、賃貸人の帰責事由により建物を焼失させ、滅失させてしまった場合は建物賃貸借契約は終了しない。
答え
1.○
📝 解説:賃料滞納があっても信頼関係を破壊しない特別の事情があると認められる場合は、賃貸借契約を解除することができません(信頼関係破壊の法理・判例)。民法541条では債務不履行があれば催告後に解除できると定めていますが、賃貸借契約には特別に信頼関係破壊の法理が適用されます。整理すると以下の通りです。
・賃料滞納あり+信頼関係が破壊された→解除できる✅
・賃料滞納あり+信頼関係を破壊しない特別の事情あり→解除できない✅
信頼関係が破壊されたかどうかは総合的に判断されます。滞納期間・滞納額・賃借人の事情・過去の賃料支払い状況・賃貸人への誠意ある対応の有無などが考慮されます。一般的に3か月以上の滞納が解除の目安とされますが、それ以下でも信頼関係が破壊されたと認められる場合もあります。
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2.×
📝 解説:家賃債務保証会社が賃料を代位弁済しても、賃借人の賃料不払いという債務不履行の事実は消滅しません。よって賃貸人は依然として賃料不払いを理由に契約を解除することができます。問題文の「賃料不払いは解消されているので解除できない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・保証会社の代位弁済:保証会社→賃貸人への支払い(賃貸人は賃料を受け取る)✅
・賃借人の立場:賃料不払いの債務不履行の事実は消滅しない✅
・代位弁済後:保証会社は賃借人に対して求償権を取得する✅
・賃貸人の解除権:賃借人の債務不履行を理由に解除できる✅
代位弁済は保証会社と賃貸人の間の問題であり、賃借人の履行とは評価されません。「保証会社が払ったから大丈夫」という誤解は禁物です。賃借人自身が支払わない限り債務不履行の事実は残ります。
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3.○
📝 解説:解除の意思表示は賃借人(相手方)に到達したときから効力が生じます(民法97条1項・540条1項)。催告→相当期間の経過→解除の意思表示到達という流れで契約解除が完成します。整理すると以下の通りです。
・解除の効力発生時点:意思表示が相手方に到達した時✅
・発信した時ではない(到達主義)✅
・到達とは:相手方が了知できる状態に置かれた時点(実際に読んでいなくてもよい)✅
「郵便を出した日」ではなく「相手方のポストに投函された・手渡された日」が到達日である点を覚えましょう。内容証明郵便を使う実務上の理由はこの到達日を明確にするためでもあります。
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4.○
📝 解説:賃借人の同居人が契約解除通知を受領した場合も、賃借人への到達と認められます。意思表示の到達は「相手方が了知できる状態に置かれること」を意味し、同居人への交付はその状態に当たるからです(民法97条)。整理すると以下の通りです。
・賃借人本人が受領→到達✅
・同居人が受領→到達✅
・ポストへの投函→到達✅
・不在で受け取れなかった場合→付郵便送達等の方法を検討✅
同居人が受け取った事実があれば、賃借人が実際に通知を読んでいなくても到達として扱われます。ただし同居人が受け取り拒否・破棄した場合など事情によっては到達の認定が争われることもあります。
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5.×
📝 解説:解除の意思表示は相手方に到達した後は撤回することができません(民法540条2項)。問題文の「撤回することができる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・解除の意思表示が到達前→撤回できる✅
・解除の意思表示が到達後→撤回できない✅
この規定は相手方の法的安定性を保護するためのものです。「やっぱり解除をやめます」と言っても到達後は認められません。解除の意思表示は慎重に行う必要があり、一度到達すると取り消せない点を実務でも覚えておきましょう。なお解除後に当事者が改めて合意して元に戻すことは可能です。
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6.○
📝 解説:催告と同時に「期間内に支払がない場合には契約を解除する」という条件付き解除の意思表示(停止条件付き解除予告)を行うことは有効です(判例)。これは「催告書兼解除予告通知」として実務でよく使われる方法です。整理すると以下の通りです。
・催告のみ→相当期間経過後に別途解除通知が必要
・催告+停止条件付き解除予告→期間内に支払がなければ解除通知不要・自動的に解除✅
「期間内に支払がない場合には本書をもって解除します」という文言が停止条件付きの解除予告にあたります。賃料不払いへの対応として内容証明郵便で送付することが一般的です。催告と解除を1通の書面で完結できるため実務上非常に効率的な手法です。
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7.×
📝 解説:賃貸建物が共有物である場合、賃貸借契約の解除は共有持分の過半数を有する共有者の合意によって行うことができます(民法252条)。問題文の「共有者全員の意思の合致が必要」という部分が誤りです。共有物の行為は以下のように分類されます。
| 行為の種類 | 必要な同意 | 例 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 各共有者が単独で可能 | 共有物の修繕など |
| 管理行為 | 持分割合の過半数 | 賃貸借契約の解除・短期賃貸借の締結 |
| 変更行為 | 共有者全員の合意 | 共有物の売却・増改築など |
賃貸借契約の解除は管理行為に該当するため、持分割合の過半数があれば解除できます。「共有者の人数の過半数」ではなく「持分割合の過半数」である点も重要です。
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8.×
📝 解説:判例は期限または条件を付した期限付き合意解約・条件付き合意解約も有効としています。問題文の「認めていない」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・即時合意解約(今すぐ終了する合意)→有効✅
・期限付き合意解約(○月○日に終了する合意)→有効✅
・条件付き合意解約(○○の場合に終了する合意)→有効✅
合意解約は当事者双方の合意があれば自由に設計できます。「引越し先が決まったら退去する」「新居の工事が完了したら解約する」といった条件付きの合意も判例上認められています。ただし合意の内容が不明確な場合は問9のとおり効力が否定されることがあります。
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9.○
📝 解説:合意解約は当事者双方の意思の合致が明確でなければ効力が認められません(判例)。「なんとなく退去する方向で話した」「曖昧な口約束があった」程度では合意解約は成立しません。整理すると以下の通りです。
・当事者の意思が明確・確実に合致している→合意解約成立✅
・意思の合致が曖昧・不明確→合意解約不成立・効力否定✅
実務上は合意解約を書面(退去合意書・解約合意書など)で残すことが重要です。口頭の合意は後から「言った・言わない」の争いになりやすく、管理業者としても書面での確認を徹底することが求められます。問8と合わせて「合意解約の自由度は広いが意思の明確性は必要」というセットで覚えましょう。
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10.×
📝 解説:建物が滅失した場合、帰責事由(誰のせいか)を問わず賃貸借契約は終了します(民法616条の2)。問題文の「賃貸人の帰責事由による滅失では終了しない」という部分が誤りです。賃貸借の目的物が存在しなくなった以上、契約を継続する前提が失われるためです。ただし滅失後の損害賠償については帰責事由によって異なります。
| 滅失の原因 | 契約の終否 | 損害賠償 |
|---|---|---|
| 賃借人の帰責事由(失火など) | 終了 | 賃借人が賃貸人に損害賠償義務あり |
| 賃貸人の帰責事由(管理不備など) | 終了 | 賃借人は賃貸人に損害賠償請求可能 |
| 天災・不可抗力(誰の責任でもない) | 終了 | 損害賠償なし |
「建物が滅失したら原因を問わず終了・損害賠償は帰責事由によって処理」というセットで覚えましょう。
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賃貸借契約の解除は、信頼関係破壊の法理・意思表示の到達・共有物の解除・合意解約・建物滅失など多くの論点が絡み合います。「誰の責任か」「意思表示はいつ効力が生じるか」「どの程度の同意が必要か」を常に意識して整理することが合格への近道です。
不動さん:

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