
目次
賃料(家賃)などの経理上の管理
賃料の収益計上の時期は支払時期が決められているか、決められていないかで賃料として計上する日が異なってきます。
ポイント
・支払日が決められている
⇒支払日が計上日になります
・支払日が決められていない
⇒支払いを受けた日が計上日になります
・請求したときに支払うと定めている
⇒請求をした日が計上日になります
その他の受取金についての計上日
ポイント
礼金や権利金
⇒入金があった日、または契約の効力が発生した日が計上日になります
敷金や保証金で賃借人に返還しない金額
⇒賃借人に返還しないと定めた日が計上日になります
更新料
⇒契約の効力が発生した日(更新日)が計上日になります

未払いで回収の見込み等が立たない時に、費用として貸し倒れ処理として未回収分を計上できます。
債務(家賃など)の回収額が全額に満たない時の処理

賃借人(債務者)と賃貸人(債権者)の支払い処理の合意がある場合は、合意内容に従って処理されます。
事前に合意がない場合は
⇒まず支払った債務者が支払った金額に対して、まずは費用、利息、元本の中で何から充当するか指定できます。
もし債務者が指定しなかった場合は
⇒債権者が受領した金額に対して、費用、利息、元本の中で何から充当するか指定できます。
債権者も指定しなかった場合は
⇒費用→利息→元本の順番で充当されます。
よって、合意や指定がなかった債務が残った場合は、最後に元本が残るということになります。
家賃滞納時の少額訴訟などの対応

内容証明郵便について
内容証明郵便とは、いつに誰宛にどのような内容で郵便物を送ったかを証明するものです。
ポイント
・原本は郵便局にて5年間保管されます。
・配達証明郵便にて配達されますので、ちゃんと相手方に届いたかが証明できます。
・送った郵便の内容を保証されるものではないです。
内容証明郵便の差出人は、賃貸人の名義にしなければいけません。
管理会社の名義にしてしまうと、非弁行為に該当してしまい違法となってしまいます。
支払督促(支払命令)について

支払督促(支払命令)のメリット・デメリット
メリット
・債権者の申立てに基づいて、真偽について債務者の意見を聞くことなく、迅速に支払督促ができます
デメリット
・支払督促は債務者に対して、支払うか支払わないかの2択の督促となるので融通がききません
支払督促(支払命令)の内容
申立て先は、債務者の住所地を所管する簡易裁判所になります。
家賃などの金銭の請求に限ります。金額の上限はありませんのでいくらでも請求できます。
債務者が不明な時などに行う公示送達ではなく、通常の送達で行います。ですので債務者の所在が分かることが必要です。
支払督促(支払命令)が行われて、債務者から異議申し立てがなければ、債務名義扱いになり、強制執行が可能になります。
少額訴訟について

少額訴訟のメリット・デメリット
メリット
・裁判所で債務者と債権者が協議するので、分割払いなど債務者から回収できやすい方法も選択することができる
デメリット
・債務者より優位に立つために、必要な書類など揃えるよう手間がかかる
少額訴訟の内容
請求金額の上限が60万円以下と定められています。
少額訴訟の申立ては、相手方債務者が同一か否か問わずに、同じ簡易裁判所へ1年に10回までに定められています。
1回だけの審理で結審するので、納得いかなくても反訴することができません。
証人尋問が行われる場合があります。
訴えられた人(被告人)は通常の裁判手続きに移行させることの申立てができます。
分割払いの定めがなされたときは、3年を超えない範囲の分割払いになります。
おさらい問題
○か×で答えてね
① 賃貸人と賃借人との間で合意がなく、賃借人と賃貸人が支払い債務の充当の指定が行われなかったとき、元本→利息→費用の順番で充当される
② 内容証明郵便は窓口で受理されたときから、郵便局に3年間、原本が保管される
③ 簡易裁判所に申し立てる支払督促(支払命令)の金額は60万円以下と定められている
④ 少額訴訟は、同一の債務者に対して、同一の簡易裁判所にて1年に10回までが限度である
正解は
① × 費用→利息→元本の順に充当されます
② × 保管期間は5年です
③ × 支払督促(支払命令)は請求額に上限はありません
④ × 同一の債務者でなく、異なる債務者でも10回までが限度です
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