目次
保証契約について
賃貸借契約における保証契約は賃貸人と保証人との間で締結します。
賃借人は当事者間には入りませんので、賃借人が保証人に対して、保証人になってほしくないと言っても、保証契約は締結できます。
保証人が個人や法人(会社)問わず、保証契約は必ず書面で行う必要があります。
賃貸人、保証人が承諾しても、書面でない保証契約は無効です。
極度額の設定
もし限度額を定めない保証契約をすると無効になりますよ
限度額も書面にて記載する必要があります。
法人(会社)が保証人になる場合には限度額を定めなくても大丈夫です。
賃貸借契約の保証範囲
賃貸借契約における保証人の保証する範囲は、「賃貸借契約から生じる全ての債務」になります。
賃借人が家賃を滞納したときに生じる利息(遅延損害金)についても保証の範囲になります。
物件の明け渡しについては保証外になりますが、明け渡しが遅延したことによって生じる賃料や利息は保証内になります。
保証債務における法的性質
保証債務における法的性質は以下の3つです。
ポイント
・附従性
・随伴性
・補充性
附従性
賃借人が家賃を滞納すれば、保証債務が生じます。
家賃の滞納を返済したら、保証債務が消滅します。
家賃の滞納の金額より、保証債務は金額は同額で、高くなったり低くなったりしません。
随伴性
賃貸人が第三者に、賃貸人の地位を譲渡したときには、保証人の保証債務もその第三者へ移転します。
補充性
賃借人が家賃を滞納したときに、賃貸人が賃借人より先に保証人に家賃を督促した場合
・保証人は先に賃借人に督促(請求)してくださいと言えます。
【催告の抗弁権】と言います。
・保証人は先に賃借人に執行してくださいと言えます。
【検索の抗弁権】と言います。
保証債務の適用・元本確定・状況説明について
賃貸借契約における保証債務は、賃貸借契約が更新された時には、継続されます。
定期借家契約など期間が終了して、継続して再契約する時は、期間終了時に保証契約が終了します。
定期借家契約の再契約時には、保証契約も再契約する必要があります。
保証債務の元本確定について
賃借人、保証人が以下の条件になった時点で保証債務が確定します。
ポイント
・賃借人・保証人が死亡したとき
・保証人が破産手続き開始の決定、強制執行など発生したとき
確定時以降は賃借人が債務を生じさせても、保証人の負担はありません。
保証債務の状況説明について
保証債務の状況説明は「賃借人が保証人に対して」と「賃貸人が保証人に対して」と2つのパターンがあります。
賃借人の状況説明
賃借人が事業主(会社など)で事業目的で建物を借りる際、個人の保証人予定者に対して、自己の財務状況、他に債務がないかなどを説明する義務があります。
この説明義務に違反した場合、保証人は保証契約を取り消すことができます。
賃貸人の状況説明
賃貸借契約後、保証人が賃貸人に対して、賃借人がちゃんと家賃を支払っているか、もし支払っていなければ金額などの詳細を教えてもらうことの請求ができます。
保証人は個人や法人(会社)でも状況説明の請求ができます。
おさらい問題
○か×で答えてね
① 保証契約は賃貸人と保証人が取り交わす契約のことなので、賃借人は直接かかわらなくても契約は成立する
② 賃貸人が第三者へ自己所有賃貸物件を譲渡したとき、保証契約も第三者へ引き継がれる。これを保証債務の附随性という
③ 賃借人が破産手続開始決定をした場合、賃借人の保証人の保証契約は終了する
④ 保証人が法人(会社)の場合、事業の為に建物を借りようとしている個人は保証人に対して、自己の財務状況や債務の有無などを説明しなければならない
正解は
① 〇
② × 随伴性です
③ × 終了しません。保証人が破産手続開始決定した場合は、終了となります
④ × 保証人が個人の場合には説明義務が生じます
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