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賃借人が賃貸人に対して負う義務について一問一答です
賃貸不動産経営管理士試験で重要な「賃借人が賃貸人に対して負う義務」に関する知識を一問一答18問で確認しましょう。賃料支払義務・差押と賃料債権・保管義務・修繕通知義務・修繕受忍義務・無断転貸の解除など試験頻出テーマを網羅しています。
次からの問いに○か×で答えてください
問題
1.賃貸住宅が、天災や不可抗力などの賃貸人の責に帰さない事由によって使用できなくなった場合、賃借人の賃料支払義務は継続される。
2.賃貸住宅が、賃借人の責に帰する事由で一部使用することができない状態が生じた場合、使用割合に応じて賃借人の賃料は減額される。
3.賃借人の責に帰さない事由により賃貸住宅の一部が滅失し、使用および収益をすることができなくなった場合において、賃借人は賃貸人に使用および収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することによって減額される。
4.賃貸人の債権者によって賃料債権が差し押さえられた場合、賃貸人から賃料の支払いを要求されたとしても拒絶することができる。
5.賃貸人の債権者によって賃料債権が差し押さえられた場合、差押債権者から賃料の支払いを要求されたとき、賃貸人に対して賃料を支払うことを理由に拒絶することができる。
6.賃貸人の債権者によって賃料債権が差し押さえられた後に、賃貸人が賃貸住宅を第三者へ譲渡し所有権が移転された場合、賃料債権は消滅し差押債権者は賃借人に賃料債権の支払いを要求することができない。
7.賃貸人の債権者によって賃料債権が差し押さえられた後に、賃貸人が賃貸住宅を第三者へ譲渡し所有権が移転された場合、賃借人は新賃貸人へ賃料を支払うことができ、差押債権者は賃借人が新賃貸人の賃料の支払いを理由に、賃借人に対し賃料債権の支払いを請求することができない。
8.賃貸人の債権者によって賃料債権が差し押さえられた後に、賃貸人が賃借人へ建物を譲渡し、賃借人、賃貸人が同一人の地位であることを理由に賃貸借契約が終了した場合、特段の理由がない限り、譲渡前の賃料債権の支払いを請求することができなくなる。
9.賃貸人が亡くなり相続が発生し、相続人が複数人いる場合の賃料債権は、相続開始から遺産分割まで留保され、遺産分割後に賃貸住宅を相続した者が留保分を受け取る。
10.賃借人が複数いる場合、賃貸人は分割して各賃借人に対して賃料を請求しなければならない。
11.賃借人が複数いる場合、賃貸人は賃借人のうちの一人に対しては賃料全額を請求できるが、賃借人全員に対して賃料全額を請求することができない。
12.賃借人が負う賃貸借建物の保管義務について、賃借人が無断で増改築した場合、保管義務違反になる可能性があり、保管義務違反と認められれば契約解除ができる。
13.賃借人が負う賃貸借建物の保管義務について、物理的な損傷以外にも、価格下落を招く心理的な損傷も含まれる。
14.賃借人の賃貸借建物の保管義務違反による損害賠償請求は、賃貸人が建物の返還を受けたときから3年以内に行わなければならない。
15.賃借人は賃貸住宅について修繕を要することが必要と知った場合、賃貸人がそのことについて知っていた場合を除き、賃借人は遅滞なく賃貸人に通知しなければならない。
16.賃貸人が賃貸住宅の修繕を行うにあたり、賃借人の一時的な明渡しが必要であれば、賃貸人は賃借人に対して一時的な明渡しを請求することができ、賃借人はその請求に対して応じなければならない。
17.賃貸人が賃借人の意思に反して建物の保存行為を行うことによって、賃借人が賃貸借の目的を達成できない場合、賃借人は賃貸借契約を解除することができる。
18.賃借人の賃借権の無断譲渡または無断転貸を行った。それが賃借人の行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特別の事情があった場合でも、賃貸人は賃貸借契約を解除することができる。
答え
1.×
📝 解説:天災や不可抗力など賃貸人の責に帰さない事由によって賃貸住宅が使用できなくなった場合でも、賃借人の賃料支払義務は消滅します。問題文の「継続される」という部分が誤りです。民法の考え方として、賃貸借契約は「賃貸人が物件を使用収益させる義務」と「賃借人が賃料を支払う義務」が対価関係にあります。賃貸人側の義務が果たせない状況になれば、賃借人側の賃料支払義務も発生しません(民法536条・611条)。整理すると以下の通りです。
・賃貸人の責に帰す事由(管理不備など)で使用不能→賃料支払義務なし❌
・天災・不可抗力(賃貸人の責に帰さない事由)で使用不能→賃料支払義務なし❌
・賃借人の責に帰す事由で使用不能→賃料支払義務あり✅
責任の所在がどこにあるかにかかわらず、物件が使用できなければ賃料は発生しないという点が重要なポイントです。
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2.×
📝 解説:賃借人の責に帰する事由で一部使用できない状態が生じた場合、賃料は減額されず全額を支払わなければなりません。問題文の「使用割合に応じて減額される」という部分が誤りです。民法611条1項は「賃借人の責に帰することができない事由」による一部滅失の場合に当然減額されると定めており、賃借人自身に責任がある場合は対象外です。整理すると以下の通りです。
・賃借人の責に帰さない事由で一部使用不能→当然に減額✅
・賃借人の責に帰する事由で一部使用不能→減額なし・全額支払義務あり❌
賃借人が自ら引き起こした状況について賃料減額を認めることは不合理であるため、このような規定となっています。「誰の責任か」が賃料減額の可否を決める最重要ポイントです。
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3.×
📝 解説:賃借人の責に帰さない事由により賃貸住宅の一部が滅失した場合、賃借人の減額請求(意思表示)は不要で、当然に賃料が減額されます(民法611条1項)。問題文の「賃料の減額を請求することによって減額される」という部分が誤りです。2020年の民法改正によってこの点が明確化されました。整理すると以下の通りです。
・改正前:減額請求が必要(形成権的構成)
・改正後:当然に減額(請求不要)
「当然減額」である点が試験でよく問われます。賃借人が何も言わなくても使用不能の割合に応じて自動的に賃料が減額されるという仕組みです。なお減額割合は「使用および収益をすることができなくなった部分の割合」に応じて計算されます。
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4.○
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5.×
📝 解説:賃料債権が差し押さえられた後は、差押債権者から賃料の支払いを要求された場合は拒絶できません。問題文の「賃貸人に対して賃料を支払うことを理由に拒絶することができる」という部分が誤りです。差押えによって賃料債権の管理権は差押債権者に移っているため、賃借人は差押債権者に対して支払う義務があります。整理すると以下の通りです。
・差押後に賃貸人から賃料請求→拒絶できる✅(問4)
・差押後に差押債権者から賃料請求→拒絶できない❌(問5)
差押えを受けた側(賃借人)は、差押債権者に支払う義務が生じ、賃貸人への支払いは効力を持たない点を整理して覚えましょう。
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6.×
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7.×
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8.×
📝 解説:差し押さえられた賃料債権(譲渡前の賃料債権)は、賃貸借契約が終了しても消滅しません。差押債権者は譲渡前の賃料債権について引き続き賃借人に請求することができます。問題文の「譲渡前の賃料債権の支払いを請求することができなくなる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・譲渡前の賃料債権→差押債権者が引き続き請求できる✅
・譲渡後の賃料債権→賃貸借契約終了により新たな賃料は発生しないため請求できない❌
賃借人が建物を取得して賃借人・賃貸人が同一人になれば賃貸借は終了しますが、それ以前に発生していた差押済みの賃料債権は別の問題です。「差押済みの賃料債権は賃貸借の終了によっても消滅しない」という点を覚えましょう。
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9.×
📝 解説:相続が発生した場合、相続開始から遺産分割までの賃料債権は遺産とは別に扱われ、各共同相続人が相続分に応じて分割単独債権として取得します(最高裁判例)。問題文の「遺産分割まで留保され、遺産分割後に賃貸住宅を相続した者が受け取る」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。
・賃貸住宅(建物)自体→遺産分割の対象✅
・相続開始から遺産分割までの賃料債権→遺産分割の対象外・各相続人が相続分に応じて分割取得✅
賃料は日々発生するため、遺産分割が終わるまでの間も各相続人が相続分に応じてそれぞれ取得するという点が重要です。建物の帰属(遺産分割)と賃料債権の帰属(当然分割取得)は分けて考えましょう。
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10.×
📝 解説:賃借人が複数いる場合、賃貸人は賃借人全員に対して賃料全額を請求することができます。問題文の「分割して各賃借人に対して請求しなければならない」という部分が誤りです。複数の賃借人による賃料支払義務は連帯債務的な性格を持つため、賃貸人はどの賃借人に対しても賃料全額を請求できます。ただし注意点があります。
・賃借人全員に対して賃料全額を請求できる✅
・そのうちの一人から賃料全額が支払われた場合→他の賃借人への請求は消滅✅
「全員に全額請求できるが、一人が払えば他への請求は消える」という点をセットで覚えましょう。
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11.×
📝 解説:賃借人が複数いる場合、賃貸人は賃借人全員に対して賃料全額を請求することができます。問題文の「賃借人全員に対して賃料全額を請求することができない」という部分が誤りです。問10と合わせて整理すると以下の通りです。
・賃借人の一人に全額請求→できる✅
・賃借人全員に全額請求→できる✅
・一人が払えば他への請求→消滅✅
複数の賃借人に対する賃料請求は「分割ではなく全額」「一人でも全員でも請求可能」という点が試験で問われやすいポイントです。
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12.○
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13.○
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14.×
📝 解説:賃借人の保管義務違反による損害賠償請求は、賃貸人が建物の返還を受けたときから1年以内に行わなければなりません(民法622条・600条)。問題文の「3年以内」という部分が誤りです。賃貸借における損害賠償請求には短期消滅時効(1年)が設けられています。これは返還後の紛争を速やかに解決させるためです。整理すると以下の通りです。
・損害賠償請求の起算点:賃貸人が建物の返還を受けたとき
・時効期間:1年以内
「3年」ではなく「1年」という数字を確実に覚えましょう。試験では数字を変えて出題されることが多いポイントです。
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15.○
📝 解説:賃借人は賃貸住宅の修繕が必要だと知った場合、賃貸人がすでに知っている場合を除き、遅滞なく賃貸人に通知しなければなりません(民法615条)。これを「修繕通知義務」といいます。この義務が設けられている理由は、賃貸人が修繕の必要性を知らなければ対応できないためです。賃借人が通知を怠った結果、損害が拡大した場合は、その損害について賃借人が責任を負うことになります。整理すると以下の通りです。
・修繕の必要性を知った→遅滞なく賃貸人に通知✅
・賃貸人がすでに知っていた場合→通知不要✅
「遅滞なく」という点がポイントで、すぐに連絡することが求められています。
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16.○
📝 解説:賃貸人が修繕を行うにあたり賃借人の一時的な明渡しが必要な場合、賃借人はその請求に応じなければなりません(民法606条2項)。これを「修繕受忍義務」といいます。賃貸人は建物を良好な状態に保つ義務があり、そのために必要な保存行為をする権限があります。賃借人はその保存行為を妨げることはできません。ただし一時的な明渡しを求められた場合、賃借人は以下の権利を持ちます。
・明渡し期間中の賃料減額請求→可能✅
・明渡し費用・引越し費用の損害賠償請求→可能✅
修繕受忍義務は「応じなければならない」一方で、賃借人の負担については補償を求められる点もセットで覚えましょう。
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17.○
📝 解説:賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為を行うことで賃借人が賃貸借の目的を達成できない場合、賃借人は賃貸借契約を解除することができます(民法607条)。問16で解説した修繕受忍義務には例外があります。保存行為が賃借人の居住・営業などの目的を完全に妨げるほど重大な場合は、賃借人は黙って耐える義務を負わず、契約を解除することができます。整理すると以下の通りです。
・賃貸人の保存行為が軽微→賃借人は受忍義務あり(問16)
・賃貸人の保存行為が賃貸借の目的を達成できないほど重大→賃借人は契約解除可(問17)
受忍義務と解除権の関係を整理して覚えましょう。
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18.×
📝 解説:無断譲渡・無断転貸であっても、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特別の事情がある場合は、賃貸人は賃貸借契約を解除することができません(信頼関係破壊の法理)。問題文の「特別の事情があった場合でも解除できる」という部分が誤りです。民法612条では無断譲渡・無断転貸を解除事由と定めていますが、判例は「信頼関係を破壊しない特別の事情がある場合は解除できない」としています。
例えば以下のようなケースが特別の事情にあたりえます。
・親族間での譲渡で実質的に使用形態が変わらない場合
・会社と代表者など実質的に同一人物への転貸
無断譲渡・無断転貸=即解除ではなく「信頼関係が破壊されたかどうか」が判断基準である点を覚えましょう。
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賃借人が賃貸人に対して負う義務は、賃貸不動産経営管理士試験において重要な出題テーマです。賃料支払義務・差押と賃料債権・保管義務・修繕通知義務・修繕受忍義務・無断転貸の解除など、各項目の要件と例外を整理して理解することが合格への近道です。
不動さん:

ふーちゃん先輩:

ペンギン社長:

不動さん:

ふーちゃん先輩:

不動さん:

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん先輩:

