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賃貸不動産経営管理士の試験において、
特定賃貸借契約の勧誘における禁止行為(誇大広告・不当な勧誘等)は
毎年出題される重要テーマです。
「誇大広告の判断基準は専門家?一般人?」
「不実告知は故意だけ?過失も含む?」
「迷惑勧誘で禁止される時間帯は?」
これらを正確に理解していないと失点します。
今回はおなじみ不動さんとふーちゃん先輩の会話を交えながら、
禁止行為の内容・罰則・試験のポイントを徹底解説します。
この記事でわかること
- なぜ勧誘に関する規制が強化されたのか
- 誇大広告の禁止:判断基準・打消し表示・罰則
- 不当な勧誘等の禁止:5つの禁止行為と罰則
- 勧誘者が違反した場合の特定転貸事業者への影響
- おさらい問題で理解度チェック
まず試験頻出ポイントを表で整理する
| 項目 | 試験に出るポイント |
|---|---|
| 誇大広告の判断基準 | 一般消費者の認識が基準(専門家ではない) |
| 「著しく異なる」の意味 | 正しい条件を知っていたら契約しなかったレベルの相違 |
| 打消し表示があっても | 誇大広告に該当する場合がある |
| 不実告知の故意・過失 | 故意のみが対象(過失は該当しない) |
| 迷惑勧誘の禁止時間帯 | 午後9時〜午前8時の電話・訪問勧誘が禁止 |
| 再勧誘の禁止条件 | 大家さんが拒絶の意思表示を行った |
| 勧誘者が違反した場合 | 特定転貸事業者にも処分が及ぶ |
| 不実告知の罰則 | 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(または両方) |
不動さん:

ペンギン社長:

なぜ勧誘の規制が強化されたのか
特定賃貸借契約(マスターリース契約)はアパートやマンションの建築請負契約とセットで提案されることが多く、数千万円〜数億円という高額の契約を伴います。そのため地主さんへの勧誘においてトラブルが増加しました。
| 問題の背景 | 内容 |
|---|---|
| 建築請負契約との抱き合わせ | アパート建築とサブリース契約をセットで営業するケースが多い |
| 高額契約によるトラブル | 数千万円〜数億円の契約のため、虚偽・誇大な説明によるトラブルが多発 |
| 規制強化の結果 | 賃貸住宅管理業法で誇大広告の禁止・不当な勧誘等の禁止が明文化された |
不動さん:

ペンギン社長:

①誇大広告の禁止
誇大広告の定義
以下のいずれかに該当する広告は誇大広告として禁止されます。
| 禁止される広告の内容 | 説明 |
|---|---|
| 実際の条件より良く見えさせる表示 | 一般消費者が見て、実際より良い条件だと誤解する恐れがある表示 |
| 実際の条件と著しく異なる表示 | 正しい条件を知っていたら契約しなかったレベルの相違がある表示 |
| 伝えなければ誤解を招く事項を伝えない | 重要な事実を意図的に隠すことで誤った認識をさせる表示 |
誇大広告の判断基準
| 判断基準 | 内容 |
|---|---|
| 誰の認識が基準か | 一般消費者(専門家ではない) |
| 「著しく異なる」の意味 | 正しい条件を知っていたら契約しなかったレベルの相違 |
ポイント
試験のポイント:
「誇大広告の判断基準は不動産の専門家の認識である」→ ×。
正しくは一般消費者の認識が基準です。
打消し表示について
打消し表示とは「良いことを表示した後に悪い点も表示すること」です。
| 状況 | 誇大広告に該当するか |
|---|---|
| 打消し表示を適切に行っている場合 | ❌ 該当しない |
| 打消し表示の文字を小さくして見えにくくした場合 | ✅ 該当する |
| 打消し表示をしていても体験談を表記している場合 | ✅ 該当する場合がある |
不動さん:

ペンギン社長:

誇大広告に違反した場合の罰則
| 対象者 | 行政罰 | 刑事罰 |
|---|---|---|
| 特定転貸事業者・勧誘者 | 指示・1年以内の業務停止命令 | 30万円以下の罰金 |
| 勧誘者が違反した場合 | 特定転貸事業者にも処分が及ぶ | |
②不当な勧誘等の禁止
5つの禁止行為
| 禁止行為 | 内容 | 試験のポイント |
|---|---|---|
| ①事実不告知・不実告知 | 伝えなければいけないことを伝えない・うそを伝える勧誘 | 故意のみが対象(過失は該当しない)・客観的に判断される |
| ②威迫 | 相手に不安を抱かせる勧誘(直接的な脅迫でなくても該当) | 「なぜ会ってくれないんですか?なぜなぜなぜ」なども該当する |
| ③迷惑 | 大家さんの迷惑を考えない勧誘 | 午後9時〜午前8時の電話・訪問勧誘が該当 |
| ④困惑 | 私生活を脅かすことや業務に支障を与える勧誘 | 長時間の勧誘・1日に何度も勧誘するなどが該当 |
| ⑤再勧誘 | 断られたのに再び勧誘する行為 | 大家さんが拒絶の意思表示を行った |
各禁止行為の詳しい解説
①事実不告知・不実告知
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 故意の場合 | ✅ 禁止行為に該当する |
| 過失(うっかり)の場合 | ❌ 禁止行為に該当しない |
| 故意かどうかの判断 | 客観的に判断される |
| 契約の成否との関係 | 契約したか・しなかったかを問わず該当する可能性あり |
ポイント
試験のポイント:「事実不告知・不実告知は過失でも該当する」→ ×。
正しくは故意(わざと)のみが対象です。また「契約が成立しなければ該当しない」→ ×。
契約の成否に関わらず該当する可能性があります。
③迷惑:禁止時間帯
| 状況 | 迷惑勧誘に該当するか |
|---|---|
| 午後9時〜午前8時に電話・訪問勧誘した場合 | ✅ 該当する |
| 大家さんから午後9時〜午前8時に連絡してきた場合の対応 | ❌ 該当しない(大家さんから連絡してきた場合は除く) |
ポイント
試験のポイント:
「大家さんから午後9時以降に電話があり、営業マンが勧誘した場合も迷惑勧誘に該当する」→ ×。
大家さんから連絡してきた場合は該当しません。
⑤再勧誘:明示的に断った場合のみ
| 大家さんの発言例 | 再勧誘禁止に該当するか |
|---|---|
| 「断ります」「いりません」「結構です」「迷惑です」 | ✅ 該当する(明示的な拒否) |
| 「少し考えさせてください」「今は忙しいです」 | ❌ 該当しない(明示的な拒否ではない) |
不当な勧誘等に違反した場合の罰則
| 違反行為 | 行政罰 | 刑事罰 |
|---|---|---|
| 事実不告知・不実告知 | 指示・1年以内の業務停止命令 | 6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(または両方) |
| 威迫・迷惑・困惑・再勧誘 | 指示・1年以内の業務停止命令 | 現時点では行政罰のみ(刑事罰の規定なし) |
| 勧誘者が違反した場合 | 特定転貸事業者にも処分が及ぶ | |
不動さん:

ペンギン社長:

試験対策:おさらい問題
○か×で答えてください。
問題①
誇大広告の「実際より良く見える」の判断基準は、不動産の専門家が見ても実際より良く見えてしまうレベルのことである。
問題②
広告で打消し表示をしていても誇大広告に該当してしまう場合がある。
問題③
不当な勧誘等の禁止の「事実不告知・不実告知」は、過失(うっかり)でも該当する。
問題④
不当な勧誘等の禁止の「事実不告知・不実告知」に違反した場合の刑事罰は「30万円以下の罰金」である。
問題⑤
大家さんが「少し考えさせてください」と言った後に再び勧誘することは再勧誘の禁止に該当する。
問題⑥
大家さんから午後9時以降に電話があり、その際に営業マンが勧誘した場合は迷惑勧誘に該当する。
問題⑦
勧誘者が誇大広告の禁止に違反した場合、特定転貸事業者にも処分が及ぶことがある。
正解と解説
① ×
判断基準は一般消費者の認識です。専門家ではなく、一般の方が見て誤解するかどうかが基準になります。
② ○
打消し表示をしていても、文字を小さくして見えにくくしたり、ある一定数の人が体験談と異なる体験をしている場合は誇大広告に該当することがあります。
③ ×
「事実不告知・不実告知」は故意(わざと)のみが対象です。過失(うっかり)は該当しません。故意かどうかは客観的に判断されます。
④ ×
「事実不告知・不実告知」の刑事罰は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金(または両方)です。30万円以下の罰金は誇大広告違反の刑事罰です。
⑤ ×
「少し考えさせてください」は明示的な拒否ではありません。再勧誘の禁止が適用されるのは「断ります」「いりません」「結構です」など大家さんが明示的に断った場合です。
⑥ ×
大家さんから連絡してきた場合はその時間帯に対応・勧誘しても迷惑勧誘には該当しません。午後9時〜午前8時の禁止は営業マン側から電話・訪問する場合に適用されます。
⑦ ○
勧誘者が違反した場合、その処分は特定転貸事業者にも及びます。
不動さん:

ふーちゃん先輩:

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まとめ:禁止行為の4大ポイント
- 誇大広告の判断基準は一般消費者(専門家ではない)
- 事実不告知・不実告知は故意のみが対象(過失は該当しない)
- 迷惑勧誘の禁止時間帯は午後9時〜午前8時(大家さんから連絡してきた場合は除く)
- 刑事罰(懲役)があるのは事実不告知・不実告知のみ(威迫・再勧誘等は行政罰のみ)

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