賃貸借契約の契約期間と更新について

賃貸不動産経営管理士

賃貸借契約の期間と更新とは?1年未満は無効ではなく期間の定めなし・更新拒絶は正当事由が必要・法定更新後は条件引き継ぎなど試験頻出ポイントを徹底解説

ペンギン社長

不動産業界歴約20年・代表歴約6年の現役不動産会社代表。 宅建士・賃貸不動産経営管理士・マンション管理士・ 管理業務主任者・FP2級など5資格以上を保有。 40代で賃管士に挑戦し1回目不合格を経て2回目で合格。 実体験をもとに不動産業界に興味がある方・ 入りたての方へ向けて役立つ情報を発信しています。

※本記事にはプロモーションが含まれています。

賃貸不動産経営管理士の試験において、

賃貸借契約の契約期間と更新は借地借家法・民法と絡む重要テーマです。

「普通賃貸借契約の契約期間の上限は?」
「1年未満の契約は有効?」
「更新拒絶するには正当事由が必要?」
「法定更新って何?」
「更新料は必ず払わないといけないの?」

今回はおなじみ不動さんふーちゃん先輩の会話を交えながら、

賃貸借契約の期間と更新の試験頻出ポイントを徹底解説します。


この記事でわかること

  • 民法と借地借家法の契約期間の違い
  • 1年未満の契約・1年以上の契約の取り扱い
  • 合意更新・法定更新・自動更新の3種類の違い
  • 更新拒絶に必要な正当事由と通知期限
  • 更新料の法的な取り扱い
  • おさらい問題で理解度チェック

まず試験頻出ポイントを表で整理する

項目試験に出るポイント
民法の契約期間の上限50年(50年以上の定めをしても50年に短縮される)
借地借家法の契約期間(普通借家)1年以上が必要・1年未満に定めると「期間の定めがない契約」になる
1年未満の契約の取り扱い無効ではない・期間の定めがない契約として取り扱う
更新拒絶の正当事由貸主が更新を拒絶するには正当事由が必要(借地借家法28条)
更新拒絶の通知期限期間満了の1年前〜6ヶ月前までに通知する必要がある
法定更新後の契約期間期間の定めがない賃貸借契約として取り扱われる
法定更新後の契約条件家賃などのその他の条件は引き継がれる
更新料の支払い義務契約書に記載がある場合のみ支払い義務がある・記載がなければ不要
更新しない特約の有効性❌ 借主に不利な特約のため無効

不動さん:

不動さん
1年未満の契約は無効ではなく期間の定めがない契約になるんですね!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
そう。「1年未満は無効→×」というのが典型的な引っかけポイント。無効ではなく「期間の定めがない契約」として取り扱われる。これはしっかり覚えておこう。

①契約期間の上限(民法と借地借家法の違い)

根拠法契約期間の上限契約期間の下限優先関係
民法50年特に定めなし特別法(借地借家法)が優先
借地借家法(普通借家)上限なし(50年超も可)1年以上が必要民法より優先して適用

重要なポイント

項目内容
民法の50年超の契約無効にならず50年に短縮される
借地借家法では50年超の契約有効(借地借家法には上限なし・民法を優越する)
1年未満の普通借家契約✅ 無効ではない・期間の定めがない契約として取り扱われる

不動さん:

不動さん
借地借家法では50年超の契約も有効なんですね!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
そう。民法では50年が上限だけど借地借家法は特別法として民法より優先される。借地借家法には契約期間の上限がないから50年超の契約も有効だよ。「民法が優先される→×」という引っかけにも注意しよう。

②更新の3種類

更新の種類内容更新後の契約期間
合意更新貸主と借主が合意して更新する・新たな契約条件を取り決める当事者が定めた期間
自動更新契約書の特約に基づき自動的に更新される特約で定めた期間(通常2年)
法定更新更新拒絶の通知がない場合に法律上当然に更新される期間の定めがない契約になる

不動さん:

不動さん
法定更新後は期間の定めがない契約になるんですね!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
そう。法定更新後は期間の定めがない契約になる。ただし家賃などの条件は引き継がれるよ。「法定更新後は全ての条件がリセットされる→×」という引っかけに注意しよう。

③更新拒絶の正当事由と通知期限

項目内容
更新拒絶に必要な要件正当事由が必要(借地借家法28条)
通知期限期間満了の1年前〜6ヶ月前までに通知する
通知が遅れた場合更新拒絶の通知が無効・法定更新になる
正当事由の例貸主自身が使用する必要がある・建物の老朽化による建替えなど
正当事由の補完立退料の提供により正当事由を補完することができる
借主からの更新拒絶正当事由は不要・期間満了前に通知すればよい

ポイント

試験のポイント

「貸主は期間満了の6ヶ月前までに更新拒絶の通知をすれば正当事由は不要」→ ×

貸主の更新拒絶には正当事由が必要です。

通知期限と正当事由は別の要件です。

ペンギン社長:

ペンギン社長
実務でも正当事由なしで更新拒絶しようとするオーナーさんが稀にいる。でも正当事由なしでは更新拒絶できない。立退料を支払うことで正当事由を補完することはできるけど、正当事由ゼロでは難しいよ。

④更新料の法的な取り扱い

項目内容
更新料の名称「更新料」「更新手数料」「更新事務手数料」などと呼ばれる
更新料の支払者賃借人(借主)が支払う
支払い義務の有無契約書に記載がある場合のみ支払い義務がある
契約書に記載がない場合✅ 賃借人は支払う必要はない
更新料の相場家賃の0.5〜1ヶ月分程度(地域・物件により異なる)
法定更新時の更新料✅ 法定更新の場合は更新料の支払い義務はない(判例)

ポイント

試験のポイント

「更新料は更新の際に必ず支払わなければならない」→ ×

契約書に記載がある場合のみ支払い義務があります。

法定更新時は支払い義務がないという判例もあります。

不動さん:

不動さん
更新料は契約書に記載がない場合は払わなくていいんですね!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
そう。「更新料は必ず払わないといけない→×」というのが試験の引っかけポイント。契約書に記載がある場合のみ支払い義務がある。法定更新の場合は支払い義務がないという判例もあるよ。

⑤更新しない特約・法定更新後の期間を定める特約

特約の内容有効か理由
「更新しない」という特約無効借主に不利な特約のため借地借家法により無効
「法定更新後の契約期間を2年とする」という特約有効期間の定めがない契約を避けるための合理的な特約として有効

不動さん:

不動さん
「更新しない」は無効だけど「法定更新後の期間を2年とする」は有効なんですね!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
そう。借主に不利な特約は無効になる。「更新しない」は借主に不利だから無効。でも「法定更新後の期間を2年とする」は借主の不利益にはならないから有効だよ。

試験対策:おさらい問題

○か×で答えてください。

問題①
民法では賃貸借契約の期間の上限は50年であり、50年以上の契約は無効となる。

問題②
普通借家契約で1年未満の期間を定めた場合、その契約は無効となる。

問題③
貸主が更新を拒絶するためには期間満了の6ヶ月前までに通知すれば正当事由は不要である。

問題④
更新拒絶の通知を期間満了の5ヶ月前に行った場合、法定更新となる。

問題⑤
法定更新後の契約は期間の定めがない契約となるが、家賃などのその他の条件は引き継がれる。

問題⑥
契約書に更新料についての記載がない場合でも賃借人は更新料を支払わなければならない。

問題⑦
契約書に「更新しない」という特約を記載しても無効となる。


正解と解説

① ×
民法では50年以上の契約は無効にならず50年に短縮されます。また借地借家法(特別法)では契約期間の上限はなく50年超の契約も有効です。

② ×
1年未満の普通借家契約は無効ではなく「期間の定めがない契約」として取り扱われます。「無効になる→×」というのが典型的な引っかけポイントです。

③ ×
貸主の更新拒絶には正当事由が必要です(借地借家法28条)。通知期限(1年前〜6ヶ月前)と正当事由は別の要件です。

④ ○
更新拒絶の通知は期間満了の1年前〜6ヶ月前までに行う必要があります。5ヶ月前は期限を過ぎているため通知が無効となり法定更新になります。

⑤ ○
法定更新後は期間の定めがない契約になりますが家賃などのその他の条件は引き継がれます

⑥ ×
契約書に記載がない場合は支払い義務はありません。更新料は契約書に記載がある場合のみ支払い義務が生じます。

⑦ ○
「更新しない」という特約は借主に不利な内容のため借地借家法により無効となります。

不動さん:

不動さん
問題①の「50年超は無効ではなく短縮」・問題②の「1年未満は無効ではなく期間の定めなし」・問題③の「通知だけでなく正当事由も必要」が特に引っかかりました!

ふーちゃん先輩:

ふーちゃん
この3点が定番の引っかけポイント。「50年超は短縮・1年未満は期間の定めなし・更新拒絶は正当事由が必要」この3点は必ず覚えておこう。

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まとめ:賃貸借契約の期間と更新の5大ポイント

  • 民法の上限は50年・借地借家法では上限なし・50年超も有効
  • 1年未満の普通借家契約は無効ではなく期間の定めがない契約になる
  • 貸主の更新拒絶は正当事由が必要・通知期限は1年前〜6ヶ月前まで
  • 法定更新後は期間の定めがない契約・家賃などの条件は引き継がれる
  • 更新料は契約書に記載がある場合のみ支払い義務がある

今勉強した内容は賃管士テキスト目次の【賃貸借契約の契約期間と更新について】です

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