一問一答

【賃管士試験練習問題・一問一答】民法「委任契約」について

ペンギン社長

不動産業界歴約20年・代表歴約6年の現役不動産会社代表。 宅建士・賃貸不動産経営管理士・マンション管理士・ 管理業務主任者・FP2級など5資格以上を保有。 40代で賃管士に挑戦し1回目不合格を経て2回目で合格。 実体験をもとに不動産業界に興味がある方・ 入りたての方へ向けて役立つ情報を発信しています。

※本記事にはプロモーションが含まれています。

民法「委任契約」について一問一答です

賃貸不動産経営管理士試験で重要な「民法における委任契約」に関する知識を一問一答18問で確認しましょう。委任と請負・雇用の違い・善管注意義務・復委任・報酬・解除・終了事由など試験頻出のテーマを網羅しています。令和8年度試験対策に最適です。

次からの問いに○か×で答えてください


問題

1.賃貸住宅管理業法において、賃貸人と賃貸住宅管理業者で締結される管理受託契約は書面による締結が必要であるが、民法における委任契約は諾成契約で、書面による契約は不要である。

2.民法における請負と委任の共通点は、仕事の完成を目的にしていることである。

3.民法における雇用と委任の違いは、当事者間における従属関係の有無である。

4.民法における委任契約で、受任者の責務である注意義務は、自らの財産を注意して管理するのと同等の注意義務である。

5.民法における委任契約で、受任者は委任者に対して従属関係にはなく独立した立場にあるので、受任者の裁量を持ってその権限の範囲内の一部について第三者に再委託することができる。

6.民法における委任契約が、仕事の中途で終了した場合でも、受任者は遅滞なく委託者に対して、顛末を報告しなければならない。

7.賃貸人と管理受託契約を締結している賃貸住宅管理業者が、賃借人から賃料を受領した金銭について引き渡す義務があるが、その賃料から生じた利息については賃貸住宅管理業者が自己の責任で得たものなので、賃貸人に引き渡すかどうかは、賃貸住宅管理業者の裁量に委ねられる。

8.賃貸人と管理受託契約を締結している賃貸住宅管理業者で、管理受託契約の特約に報酬について定めをしなかった。民法における委任契約では、特約が無い限り報酬を請求することはできないが、商法の観点から相当の報酬を請求することは可能である。

9.民法における委任契約の報酬支払時期の原則は、先払いである。

10.民法における委任契約(特約に報酬規定あり)が、委任者の責めに帰する事由によって履行が中途で終了した場合、受任者は報酬を請求することができ、報酬金額はすでに履行した委任事務に応じての割合で請求できる。

11.民法における委任契約(特約に報酬規定あり)について委任事務を処理するために費用が生じる場合、受任者は委任者に対して後払いにて請求することができる。

12.民法における委任契約で、受任者が委任事務を処理するにあたり、自己の過失により損害が生じた場合は、委任者に対してその損害の賠償を請求することができない。

13.民法における委任契約で、受任者は信頼関係が失われたとして委任者に対して委任契約を即時解除することができる。

14.民法における委任契約の即時解除について、やむを得ない事由による解除であっても、相手方に不利な時期に解除したときは損害を賠償しなければならない。

15.民法における委任契約の解除は、遡及効が生じ、委任契約当初に遡るものとされる。

16.民法における委任契約の終了事由ついて、委任者または受任者が死亡したとき、破産手続き開始したとき、後見開始の審判を受けたときが該当事由である。

17.民法における委任契約の終了事由に、委任者側からの通知によって該当することを受任者が知ったとき、受任者からの解約の申入れを持って委任契約が終了する。

18.民法における委任契約が急迫の事情をもって終了した場合は、受任者、その相続人または法定代理人は、委任者側が委任事務を処理できるようになるまで、必要な処分をしなければならない。


答え

1.○

📝 解説:民法における委任契約は諾成契約です(民法第643条)。諾成契約とは当事者双方の合意のみで成立する契約であり書面は不要です。一方で賃貸住宅管理業法における管理受託契約は書面による締結が義務付けられています(法第13条)。民法の委任契約の原則(書面不要)と賃貸住宅管理業法の特則(書面必要)という対比が試験の重要ポイントです。また保証契約も書面が必要な例外的な契約形式です。「民法上の委任は書面不要・管理受託契約は書面必要」という対比をしっかり覚えておきましょう。

---

2.×

📝 解説:仕事の完成を目的とするのは「請負」であり「委任」ではありません(民法第632条・第643条)。委任は法律行為または事実行為をすることを委託する契約であり仕事の完成は目的としていません。整理すると以下の通りです。

請負:仕事の完成を目的とする(成果物・結果が重要)
委任:法律行為または事実行為の遂行を委託する(プロセスが重要)
雇用:労務の提供を目的とする(従属関係あり)

管理受託契約は委任契約の性質を持ちます。賃貸住宅管理業者は「管理業務を行うこと」を委託されており・「特定の成果物を完成させること」を約束しているわけではありません。請負・委任・雇用の違いは試験頻出のポイントです。

---

3.○

📝 解説:雇用と委任の最大の違いは従属関係の有無です(民法第623条・第643条)。

雇用:使用者(雇う側)と労働者(雇われる側)の間に従属関係がある・労働者は使用者の指揮命令に従って労務を提供する
委任:委任者と受任者の間に従属関係はなく双方が独立した立場・受任者は独立した専門家として業務を遂行する

管理受託契約において賃貸住宅管理業者は委任者(賃貸人)から独立した立場で管理業務を行います。賃貸人の指揮命令に従うのではなく・専門家として独立した判断で業務を遂行する点が雇用との本質的な違いです。

---

4.×

📝 解説:委任契約における受任者の注意義務は「善良な管理者の注意(善管注意義務)」です(民法第644条)。これは「自らの財産を注意して管理するのと同等の注意(自己の財産と同一の注意)」より高い水準の注意義務です。整理すると以下の通りです。

善管注意義務:その人の職業・専門性・社会的地位に応じて一般的に期待される注意義務(高い水準)
自己の財産と同一の注意:自分のものを管理するのと同じ程度の注意(低い水準・個人差がある)

賃貸住宅管理業者は専門家として善管注意義務を負います。「自分のものと同じくらい注意すればいい」という考え方は誤りです。試験では「善管注意義務」という用語とその水準の高さをしっかり覚えておきましょう。

---

5.×

📝 解説:委任契約において受任者が第三者に業務を再委託(復委任)するには受任者の裁量だけでは認められません(民法第644条の2)。復委任が認められる場合は以下の2つに限定されています。

委任者の許諾を得たとき
やむを得ない事由があるとき

問題文の「受任者の裁量を持って再委託できる」という部分が誤りです。委任契約は受任者の個人的な信頼関係に基づく契約であるため・原則として受任者が自ら業務を行うことが求められます。賃貸住宅管理業法においても管理業務の再委託は委任者(賃貸人)の承諾なしには認められません。「委任者の許諾」と「やむを得ない事由」の2つの条件をセットで覚えておきましょう。

---

6.○

📝 解説:受任者は委任が終了した場合・遅滞なく委任者に対して経過および結果(顛末)を報告しなければなりません(民法第645条)。これは委任が途中で終了した場合でも同様です。報告義務は委任終了後も継続する義務です。賃貸住宅管理業者も管理受託契約が中途終了した場合は賃貸人に対して業務の顛末を報告する義務があります。「仕事が途中で終わったから報告しなくていい」という考え方は誤りです。また定期的な報告義務(年1回以上)は管理受託契約の継続中も課せられています。

---

7.×

📝 解説:受任者が委任事務を処理するにあたって受け取った金銭その他の物は委任者に引き渡さなければなりません(民法第646条)。そしてこの引渡義務は受け取った金銭から生じた利息についても同様です。賃貸住宅管理業者が賃借人から受領した賃料・およびその賃料から生じた利息は賃貸人(委任者)のものであり・管理業者が自己のものとすることはできません。「自己の責任で得たものだから自分のもの」という考え方は完全な誤りです。分別管理の義務とも関連する重要なポイントです。

---

8.○

📝 解説:民法上の委任契約は特約がない限り無償が原則です(民法第648条第1項)。しかし商法では商人が営業の範囲において他人のために行為をしたときは相当な報酬を請求できると規定されています(商法第512条)。賃貸住宅管理業者は商人であるため・管理受託契約の特約に報酬規定がなくても商法に基づいて相当の報酬を請求することができます。「民法では無償が原則・商法では報酬請求可能」という対比が試験の重要ポイントです。実務上は管理受託契約に報酬規定を設けることが一般的です。

---

9.×

📝 解説:委任契約における報酬の支払時期の原則は後払いです(民法第648条第2項)。委任事務を履行した後に報酬を請求するのが原則です。整理すると以下の通りです。

委任契約の報酬:後払いが原則
例外:期間によって報酬を定めた場合は・その期間が経過した後に請求できる
費用の前払い:委任事務を処理するための費用は前払いを請求できる(報酬とは異なる)

「先払い」という問題文が誤りです。報酬は後払い・費用は前払いという対比は試験頻出のポイントです。問11と合わせて整理しておきましょう。

---

10.×

📝 解説:委任者の責めに帰する事由によって委任事務の履行が中途で終了した場合受任者は報酬の全額を請求することができます(民法第648条第3項)。問題文の「すでに履行した委任事務に応じての割合で請求できる」という部分が誤りです。整理すると以下の通りです。

委任者の責めに帰する事由による中途終了報酬全額を請求できる
受任者の責めに帰する事由による中途終了→履行した割合に応じた報酬のみ請求可能
やむを得ない事由による中途終了→履行した割合に応じた報酬を請求できる

「誰の責任で終了したか」によって請求できる報酬の範囲が変わります。委任者の責任で終了した場合は受任者を保護するため全額請求が認められます。

---

11.×

📝 解説:委任事務を処理するために必要な費用は前払いにて請求することができます(民法第649条)。問題文の「後払い」という部分が誤りです。報酬と費用の支払時期を整理すると以下の通りです。

報酬:後払いが原則(民法第648条)
費用:前払いを請求できる(民法第649条)

費用が前払いなのは・受任者が自腹で費用を立て替えて業務を行うことが不合理だからです。費用は前払い・報酬は後払いという対比は試験頻出のポイントです。問9と合わせてセットで覚えておきましょう。

---

12.○

📝 解説:受任者は委任事務を処理するにあたって過失なく損害が生じた場合のみ委任者に対して損害賠償を請求できます(民法第650条第3項)。自己の過失によって損害が生じた場合は請求できません。整理すると以下の通りです。

過失なく損害が生じた場合→委任者に損害賠償を請求できる✅
自己の過失によって損害が生じた場合→請求できない❌

これは受任者が善管注意義務を尽くして業務を行ったにもかかわらず損害が生じた場合に受任者を保護するための規定です。自己の過失による損害は受任者が責任を負います。「過失がなければ請求できる」という条件を覚えておきましょう。

---

13.○

📝 解説:委任契約は委任者・受任者どちらからでも理由を問わず・いつでも即時解除することができます(民法第651条第1項)。受任者からの解除だけでなく委任者からの即時解除も同様です。これは委任契約が当事者間の信頼関係を基礎とする契約であるためです。信頼関係が失われた場合に契約継続を強制することは妥当でないという考え方に基づいています。ただし即時解除によって相手方に損害が生じた場合は原則として損害賠償義務が生じます(問14参照)。

---

14.×

📝 解説:委任契約の即時解除においてやむを得ない事由による解除の場合は相手方に不利な時期に解除しても損害賠償義務は生じません(民法第651条第2項但し書き)。整理すると以下の通りです。

相手方に不利な時期に解除した場合→原則として損害賠償義務あり
やむを得ない事由による解除の場合→例外として損害賠償義務なし

「やむを得ない事由」とは・天災・急病・重大な事情の変化など解除を余儀なくされる事情のことです。問題文の「やむを得ない事由でも損害賠償しなければならない」という部分が誤りです。「やむを得ない事由→賠償不要」という例外をしっかり覚えておきましょう。

---

15.×

📝 解説:委任契約の解除には遡及効が生じません(民法第652条・第620条準用)。遡及効とは解除によって契約当初に遡って契約がなかったことになる効力です。委任契約の解除は将来に向かってのみ効力を生じます。整理すると以下の通りです。

売買契約の解除:遡及効あり(契約当初に遡る)
委任契約の解除:遡及効なし(将来に向かってのみ効力が生じる)
賃貸借契約の解除:遡及効なし(委任と同様)

継続的な契約関係(委任・賃貸借など)に遡及効が生じないのは・すでに行われた給付を原状回復することが困難だからです。試験では「遡及効の有無」が問われることがあります。

---

16.×

📝 解説:委任の終了事由として「後見開始の審判を受けたとき」が終了事由となるのは受任者のみです(民法第653条)。委任者が後見開始の審判を受けた場合は終了事由に該当しません。委任の終了事由を整理すると以下の通りです。

委任者・受任者どちらの死亡→終了事由✅
委任者・受任者どちらの破産手続き開始→終了事由✅
受任者の後見開始の審判→終了事由✅
委任者の後見開始の審判→終了事由❌(該当しない)

「後見開始の審判」については委任者と受任者で扱いが異なる点が試験の重要ポイントです。受任者が後見開始の審判を受けると判断能力が失われるため終了事由となりますが・委任者については終了事由となりません。

---

17.×

📝 解説:民法第655条は委任終了事由の「対抗要件」を定めた規定です。委任の終了事由が生じた場合委任契約はその時点で自動的に終了しており・別途「解約の申入れ」は不要です。ただし終了事由が生じたことを相手方に通知したとき・または相手方がすでに知っていたときでなければ相手方に対抗できません(民法第655条)。整理すると以下の通りです。

終了事由が生じた時点→委任契約は自動的に終了
対抗要件→相手方への通知または相手方がすでに知っていること
「解約の申入れ」は不要

問題文の「受任者からの解約の申入れを持って委任契約が終了する」という部分が誤りです。終了事由が生じた時点で契約は終了しており・解約の申入れは終了の効力発生要件ではありません。

---

18.○

📝 解説:民法第654条は「急迫の事情」がある場合の委任終了後の処分義務を定めた規定です。委任が終了した場合において急迫の事情があるときは以下の者が委任者側が委任事務を処理できるようになるまで必要な処分をしなければなりません

義務を負う者:
受任者
受任者の相続人
受任者の法定代理人

「急迫の事情」とは委任終了後に放置すると委任者に重大な損害が生じる緊急性の高い状況のことです。委任が終了した後も一定の義務が継続する点が重要なポイントです。なお問題文にあった「窮迫の事情」は誤字であり・正しくは「急迫の事情」(民法第654条の正確な表記)です。


ふーちゃん
賃貸不動産経営管理士試験頑張って合格しましょう!

賃貸住宅管理業法の管理業務のテキストはこちらから

その他の一問一答の練習問題はこちらから

ペンギン社長
本気で賃貸不動産経営管理士試験を合格されたい場合はアガルートがおすすめです



受講生合格率84.32%・民法の委任契約対策が充実
👉アガルート 賃貸不動産経営管理士講座はこちら

費用を抑えて合格を目指したい方はこちら


👉スタディング 賃貸不動産経営管理士講座はこちら

 

一問一答練習問題にもどる

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ペンギン社長

不動産業界歴約20年・代表歴約6年の現役不動産会社代表。 宅建士・賃貸不動産経営管理士・マンション管理士・ 管理業務主任者・FP2級など5資格以上を保有。 40代で賃管士に挑戦し1回目不合格を経て2回目で合格。 実体験をもとに不動産業界に興味がある方・ 入りたての方へ向けて役立つ情報を発信しています。

-一問一答
-, , , , , , , , , , , , , , , ,