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賃貸不動産経営管理士の試験において、
管理業務受託契約と民法「委任(準委任)」の関係性は
毎年出題される重要テーマです。
「委任と準委任の違いは?」
「報酬はいつ受け取れるの?」
「管理受託契約はいつ終了するの?」
これらを正確に理解していないと失点します。
今回はおなじみ不動さんとふーちゃん先輩の会話を交えながら、
管理業務受託契約と委任(準委任)の関係性を
試験に出るポイントに絞って徹底解説します。
この記事でわかること
- 委任・準委任・請負の違い
- 委任(準委任)契約の報酬・費用・善管注意義務
- 再委託・報告義務・受取物の引渡し義務
- 委任(準委任)契約が終了する条件
- 解除のルールと損害賠償
- おさらい問題で理解度チェック
まず試験頻出ポイントを表で整理する
| 項目 | 試験に出るポイント |
|---|---|
| 管理業務受託契約の性質 | 民法上の委任(準委任)契約に該当(請負ではない) |
| 諾成契約(管理受託契約) | 口約束でも成立するが、賃貸住宅管理業法上は書面が必須 |
| 報酬の原則 | 委任契約は無償が原則(特約があれば有償) |
| 報酬の受取時期 | 原則業務完了後(特約で変更可) |
| 善管注意義務 | 有償・無償問わず善良な管理者の注意義務が課される |
| 再委託 | 原則不可・委任者の許諾またはやむを得ない事由がある場合のみ可 |
| 契約終了の条件 | 当事者の死亡・破産・受任者の後見開始で終了 |
| 承継の可否 | 委任契約は第三者に承継されない |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

委任・準委任・請負の違い
| 種類 | 目的 | 対象 | 管理業務との関係 |
|---|---|---|---|
| 委任 | 法律行為の処理を依頼する | 法律行為 | △ 一部該当 |
| 準委任 | 法律行為以外の事務処理を依頼する | 法律行為以外の事務 | ✅ 主に該当(維持保全・金銭管理など) |
| 請負 | 仕事の完成を依頼する | 仕事の完成 | ❌ 該当しない |
管理業務受託契約は「委任(準委任)」として扱われます。
民法の委任の規定は準委任にも準用されるため、
試験では「委任(準委任)」とセットで覚えておきましょう。
①委任(準委任)契約の性質:諾成契約
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約の成立 | 口約束(意思表示の合致)だけで成立する諾成契約 |
| 民法上の書面 | 不要(口頭でも有効) |
| 賃貸住宅管理業法上の書面 | 必須(管理受託契約書の交付が義務付けられている) |
ふーちゃん先輩:

②委任(準委任)契約の報酬について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬の原則 | 委任契約は無償が原則。報酬が発生する場合は別途特約が必要 |
| 報酬の受取時期の原則 | 業務完了後(後払いが原則) |
| 受取時期の変更 | 管理受託契約書の特約に定めることで業務完了前に受け取ることも可能 |
ポイント
試験のポイント:
「委任契約は有償が原則で、特約がない場合は無償となる」→ ×。
正しくは「無償が原則で、報酬が発生する場合は特約が必要」です。
不動さん:

ふーちゃん先輩:

③費用の前払い請求
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用の前払い | 委託された業務で費用が発生する場合、受任者(管理業者)があらかじめ費用の前払いを請求したとき、委任者(大家さん)はその時に費用を支払わなければならない |
ポイント
試験のポイント:
「費用の前払い請求があっても、業務完了後に支払えばよい」→ ×。
前払い請求があった場合はその時に支払う義務があります。
④善管注意義務
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 善管注意義務とは | 「善良な管理者の注意義務」の略。その職業・地位・能力を持つ人として一般的に要求される注意を払って業務に取り組む義務 |
| 対象 | 有償・無償問わず課される |
| 具体例 | プロの管理業者として適切な管理・対応を行うこと |
ポイント
試験のポイント:
「無償の委任契約では善管注意義務は課されない」→ ×。
有償・無償問わず善管注意義務が課されます。
⑤再委託のルール
| 状況 | 再委託の可否 |
|---|---|
| 原則 | ❌ 再委託不可 |
| 委任者(大家さん)の許諾がある場合 | ✅ 再委託可能 |
| やむを得ない事由がある場合 | ✅ 再委託可能 |
ポイント
試験のポイント:
「委任者の許諾なく再委託することはいかなる場合でも認められない」→ ×。
やむを得ない事由がある場合は許諾なしでも再委託できます。
⑥受取物・金銭・法定果実の引渡し義務
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 受取物 | 業務で受け取った物は委任者(大家さん)に引き渡す義務あり |
| 金銭 | 業務で受け取った金銭は委任者(大家さん)に引き渡す義務あり |
| 法定果実 | 業務で生じた法定果実(利息・賃料など)も引き渡す義務あり |
| 受任者名義で得た場合 | 受任者(管理業者)の名前で取得した金銭・法定果実も同様に引き渡す義務あり |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

⑦報告義務
| 報告のタイミング | 内容 |
|---|---|
| 委任者(大家さん)が求めたとき | 遅滞なく業務の状況を報告しなければならない |
| 委任(準委任)契約が終了したとき | 遅滞なく業務の経過と結果を報告しなければならない |
| 賃貸住宅管理業法との関係 | 賃貸住宅管理業法で定期報告の義務が定められており、そちらが優先される |
⑧委任(準委任)契約の終了条件
以下の事由が発生したとき、委任(準委任)契約は終了します。
| 終了事由 | 対象者 |
|---|---|
| 死亡したとき | 委任者(大家さん)または受任者(管理業者)どちらでも終了 |
| 破産したとき | 委任者(大家さん)または受任者(管理業者)どちらでも終了 |
| 後見開始の審判を受けたとき | 受任者(管理業者)のみが対象(委任者は対象外) |
ポイント
試験のポイント:
「委任者(大家さん)が後見開始の審判を受けたとき委任契約は終了する」→ ×。
後見開始の審判による終了は受任者(管理業者)のみが対象です。
不動さん:

ふーちゃん先輩:

終了を相手方に主張できる条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 終了を主張できる時期 | 相手方が終了事由を知った後から |
| 相手方が知るまでの間 | 契約終了を主張できないため、相手方に通知する必要がある |
⑨解除のルールと損害賠償
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解除の申し入れ | 委任者・受任者どちらからでもいつでも解除できる |
| 損害賠償が必要な場合① | 相手方に不利な時期に解除した場合 |
| 損害賠償が必要な場合② | 受任者(管理業者)の利益のために委任していた場合の解除 |
| 例外(損害賠償不要) | やむを得ない事由がある場合は損害賠償不要 |
| 解除後の緊急対応義務 | 解除後でも急迫な事情が生じた場合は、委任者が対応できるまで受任者は対応し続けなければならない |
ポイント
試験のポイント:
損害賠償義務は委任者・受任者双方向に課されます。
元の記事では「委任者にしなければならない」と記載されていましたが、
「各当事者が相手方に対して損害賠償をしなければならない」が正確な表現です。
⑩委任契約の承継
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 第三者への承継 | 承継されない |
| 具体例 | 大家さんがアパートを他の人に譲渡しても、管理受託契約は譲受人に引き継がれない |
| 譲受人と契約したい場合 | 新たに管理受託契約を締結し直す必要がある |
不動さん:

ふーちゃん先輩:

試験対策:おさらい問題
○か×で答えてください。
問題①
管理業務受託契約は民法上の請負契約に該当する。
問題②
委任(準委任)契約の報酬の支払いは後払いが原則で、支払時期を変える特約はできない。
問題③
委任(準委任)契約の受託中に生じた金銭について、受任者の名義で受け取った金銭であれば、委任者に引き渡さなくてもよい。
問題④
委任者(大家さん)が後見開始の審判を受けたときは、委任(準委任)契約が終了する。
問題⑤
大家さんが管理会社と管理受託契約を交わしているアパートを他の人に譲渡した場合、管理受託契約の効力は譲り受けた人に引き継がれる。
問題⑥
無償の委任契約であれば、受任者(管理業者)は善管注意義務を負わない。
問題⑦
委任者の許諾なく、やむを得ない事由がある場合でも再委託はできない。
正解と解説
① ×
管理業務受託契約は民法上の委任(準委任)契約に該当します。請負ではありません。
② ×
報酬の受取時期は特約で変更できます。管理受託契約書に特約を定めることで業務完了前に受け取ることも可能です。
③ ×
受任者(管理業者)の名義で受け取った金銭・法定果実も委任者(大家さん)に引き渡す義務があります。
④ ×
後見開始の審判による終了は受任者(管理業者)のみが対象です。委任者(大家さん)が後見開始の審判を受けても委任契約は終了しません。
⑤ ×
委任契約は第三者に承継されません。アパートが譲渡されても管理受託契約は引き継がれず、新しいオーナーと改めて契約を締結する必要があります。
⑥ ×
善管注意義務は有償・無償問わず課されます。無償だからといって注意義務が免除されるわけではありません。
⑦ ×
委任者の許諾がある場合だけでなく、やむを得ない事由がある場合も再委託できます。
不動さん:

ふーちゃん先輩:

試験勉強をさらに効率化するなら
民法の委任(準委任)は覚える項目が多い分野です。働きながら独学で対策するのは大変という方には通信講座の活用がおすすめです。
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まとめ:委任(準委任)契約の5大ポイント
- 管理業務受託契約は委任(準委任)契約に該当(請負ではない)
- 報酬は無償が原則・特約があれば有償・受取は業務完了後が原則
- 善管注意義務は有償・無償問わず課される
- 後見開始の審判による終了は受任者のみ(死亡・破産は両者)
- 委任契約は第三者に承継されない(譲渡後は再締結が必要)
この5点を押さえておけば、試験の委任(準委任)契約に関する問題は確実に得点できます。

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